「お客様と老後の話しをしたいのですが、老後の話題についてお客様がなかなか直視してくれません。」
どうすればお客様に、今後ご自身が抱える問題点に向き合ってもらえるのでしょうか?そこで、押すとリッチになる効果、「オストリッチ効果」についてです。
もくじ
オストリッチ効果とは?
オストリッチ効果
都合の悪い状況におかれたとき、その状況についての情報を得ようとしないこと
「オストリッチ効果」という言葉を聞くと、ついついダジャレが思い浮かびますが、決して押すと裕福になる効果ではありません。オストリッチとは、すなわちダチョウです。
ダチョウは、敵が現れて危険に遭遇すると、土の中に頭を入れて見て見ぬふりをするという俗説から、嫌なものに対して目を背けるという人間の習性のことを「オストリッチ効果」といいます(実際は、ダチョウがこの様な行動をとることはないそうです)。
アプローチ前にフックをかける
ではこれを、どうやってセールスに使うかと言うと、アプローチ前の雑談の段階でこの「オストリッチ効果」についてお客様にお話しをしておきます。
例えばこんなやり取りです。
コロナ禍なのに、国はオリンピックをやる前提で良い情報しか見せていない気がしますね。
そうですよね。安心・安全とは言っているけど…。
都合の悪い情報から目を背けるのは良くあることですよね。
昔、日経新聞の株価欄に強くなろうと思って、株式を購入しました。でも、株価が下がると見るのが嫌になって…結局前より新聞を見なくなった記憶があります。こういうのを「オストリッチ効果」というらしいですよ。
2021年、コロナ禍において東京でオリンピックが開催されました。オリンピックを開催するにあたって、政府は「安全・安心の中で開催をする」と強くアピールしていました。でも、少し疑問に思うことはありませんでしたか?何かまずい情報に蓋をしているんじゃないかな?ということです。そこで、お客様にそんな気持ちをまず共有してみましょう。
私は社会人になった時に、日経新聞の株価欄に強くなろうと思って、株を購入したことがあるんです。でも株価が下がってくると、株価欄を見ることが嫌になって…日経新聞自体を全然見なくなってしまいました、と自分の失敗談をお話しします。セールスパーソンである皆様も完璧な人間ではありませんよね。きっとこのような見たくない現実から逃げようとした経験はあるはずです。
そして、これを「オストリッチ効果」というんですけど、お客様、ご存じですか?と質問をしてみてください。そうすると、ほとんどのお客様は、「オストリッチ効果?」と返答されます。
その時にすかさず、冒頭でお話しをしたダチョウの話しをします。
できればジェスチャーも交えて、ダチョウが目を背けて頭を土の中に突っ込んでいる様子を再現してみましょう。そうすると、お客様は笑いながら、バカだねーとおっしゃいます。これが大事です。バカだねーと言ってもらいましょう。
ダチョウってバカですね!
その後すかさず、
今回のお話しは老後資金のお話しです。老後はまだまだ先のことなので考えたくない、というお客様が多いのですが、〇〇様はいかがですか?
と質問してみましょう。
お客様の頭には、ダチョウの姿が浮かんでいます。「先のことだから、まだ考えたくないよ。」とは言えないはずです。
見て見ぬふりをさせない工夫
この様に、セールスの話しをする前の段階で、お客様に「オストリッチ効果」について説明をしておくことがポイントです。
ちょっと胡散臭いと思われたかもしれませんが、大事なことは、お客様に本来向き合うべき問題にしっかりと向き合っていただくことです。
人には、見たくない物に対して、見て見ぬふりをする習性があります。お話しをしているそのお客様だけがそうなのではありません。嫌なことから逃げるのは、決してあなただけでなくて、人間そのものの習性なんですよ、ということをお互いに共有することで、お客様とのその後、真面目な話しをしやすくなるのではないでしょうか。