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07.購買意欲を高める

上司からお客様を褒める様に言われました。でも、お客様を褒めるって、おべっかを使うみたいで苦手なんです。

私が新人だった頃、先輩から「お客様の事を褒めると商談が上手くいくよ」とアドバイスを受けました。

ただその時私は、お客様を褒めるって、なんだかお客様に対しておべっかを使うようで嫌だなと思った記憶があります。しかし、お客様を「褒める」というのは、セールスに良い影響を及ぼすのです。 そこでまずは、「褒める」とどんな良いことが起こるのかを見てみましょう。

 気分をコントロールする

人は褒められると、嫌な気分はしません。

褒められると、気分が高揚して「嬉しい」という気持ちになります。そして明るくポジティブな気持ちになるのです。この「明るくポジティブな気持ち」というのが、セールスにおいてはとても重要です。

 スーパーボウル

そこで、NFLスーパーボウルの事例を見てみましょう。

NFLのスーパーボウル、聞いたことがある方は多いと思います。全米で1億人以上の人が視聴するというスポーツのビッグイベントです。NFLスーパーボウル中のテレビ広告の広告費は、30秒で500万ドル(約7億円)と言われています。たった30秒で7億円です!この広告を出稿する企業は、7億円かけても効果があると思い広告を出すわけです。

実際に広告を見た、18歳から54歳の人のアンケート結果では、30%以上の人が「このCMによって購買意欲をそそられた」、と回答しています。 それはなぜなのでしょうか。このNFLスーパーボウルは、物を購入することを促す力が強いということです。要するに、試合を観戦することで気分が高揚し、その高揚が「物を購入する」ことにつながるのです。

これを「気分一致効果」と呼んでいます。

気分一致効果

1981年、アメリカの心理学者ゴードン・H・バウアー氏が提唱。気分と一致する感情的な記憶が、次の行動を促進するという効果。

  • 気分が高揚している時、物事はポジティブに捉えられる
  • 気分が沈んでいる時、物事の判断や行動はネガティブになる

「気分一致効果」とは文字通り、「気分が一致する効果」のことをいいます。気分が何に一致するかというと、気分が高まっている時は積極的な行動を起こし、気分が落ち込んでいるときはネガティブな行動を起こすということです。

つまり、「購入する」というポジティブな活動は、気分が高まっている時に行い、気分が落ち込んでいる時には行わないのです。

 テレビショッピング

テレビショッピングを思い出してみてください。

どのテレビショッピングも、出演者のテンションが異常に高いと思いませんか?番組の演出も大袈裟に感じられると思います。しかしあれは、「気分一致効果」を狙っての演出なのです。テンションの高い出演者を見ているうちに気分が高揚して、紹介されている商品が良い物に見えてくるのです。

ということで、お客様を褒めて気持ち良くなっていただくということは、セールスにおいてとても効果的です。

正しく褒めることはセールスの仕事

一方で、ここが生命保険のセールスにおいてとても難しいところですが、生命保険の必要性をお客様に感じていただくには、一旦不安を感じてもらわなければいけません。不安を感じていただくと、その場の雰囲気は暗くなってしまいます。しかし、「購入」していただくためには、気分を上げていただかなくてはいけないのです。そのため、決断いただく前には、お客様を褒めることで少しでもお客様の気分を上げておく必要があります。

それではこれを、セールスに応用してみましょう。 まずはその日の本題に入る前に、お客様を褒めて気持ちよくなってもらいます。

セールス

なんだか明るい顔をされていますね。良いことでもあったのですか?

ここでお客様に悪い事しか起こっていなかったら、その日の提案は止めた方が無難です。 良い事が聞けたら、お客様に起こった良い事を、自分事の様に喜んで共感し、その場の雰囲気を明るくしておきましょう。

アプローチの段階から、できるだけポジティブな発言をしていただけるような雰囲気づくりをします。その後、お客様がお話しいただいた内容に共感し、どんどん気分を高めていただくということが大切です。気分を高めていただくことで、「また会いたい!」と思っていただきます。そして、購買意欲が高まり、成約につながる可能性も高まるのです。

お客様を「褒める」ことは、おべっかを使うことではありません。成約につながる行動なのです。お客様はどんどん正しく褒めましょう。

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