hoken-skill

09.YouTubeに洗脳されている人には?

「YouTubeで生命保険は不要と言っている人の意見を信じてしまうお客様に、どう対応したらいいか分かりません。

最近は、YouTubeやSNSなどから情報を得ることが多くなりました。特にYouTubeでは、動画で分かりやすく知識を提供している人が多いため、YouTubeから得た情報を正しいと思い込んでしまう人も多くいます。

中でも、「保険不要論」を唱えているユーチューバーがたくさんいて、保険のセールスをするうえで、なかなかの障壁となっているのではないでしょうか。このような「保険不要論」を信じてしまっているお客様にどうセールスしていけば良いのでしょうか?

 生存者バイアス

「生存者バイアス」という言葉を聞いたことがありますか?「生存者バイアス」の具体例として有名なのが、こちらの戦闘機の話しです。

上記イラストはイメージで現物とは異なります

こちらは、第2次世界大戦中に連合国軍が、戦闘機のどこを補強すれば撃ち落とされにくくなるのかを研究するために、無事に帰還した戦闘機の撃たれた箇所を赤い点でマークしたものです。この結果を受けて、皆さんならばどこを補強する提案をしますか?

  • 赤い点の部分を補強する
  • 赤い点以外の部分を補強する
  • このデータだけではわからない

このように成功した経験のみを全体の傾向と認識し、その他多くの失敗事例を顧みないことから、間違った結論を導き出してしまうことを言います。

生存者バイアス

一部の偏った情報を全体の傾向と誤認し、間違った結論を導き出してしまうこと

 バランスの取れる情報を提供する

YouTube上で「ガン保険は不要」と言っている人、こういった人のYouTubeを見てみると、しっかりとしたデータを基にお話しをされていて、理屈もしっかり通っていて、確かにな、と思ってしまいます。しかしこの人は、実際に「ガン」にかかったことはあるのでしょうか?実際に給付金をもらったことはあるのでしょうか?私は統計データのみから不要論を唱えるのは大変危険だと考えています。

保険に加入するということは、「保険料」を負担することです。「保険料」を支払うということは、痛みを伴います。人は痛みを伴うことは避けたいと考えます。それゆえに、痛みを伴うことを避けられる様な意見、この場合は「保険は不要」という意見を聞くと、そちらに流れてしまいがちです。このような聞き心地の良い言葉で視聴者の共感を得るやり方はどうかと思います。その方の言うとおり保険に入らず、何かあったときにその人は支援をしてくれるのでしょうか?

これに対して、実際にガンにかかって給付金をもらった人もYouTubeでその情報を発信されています。こういった人も、私が知っている「ガン」にかかって給付金をもらった人も、誰一人として、「ガン保険」に入っていて損をした、という人はいないのです。むしろ、「ガン保険に加入していて、本当に助かった」と言っています。もちろん、これも個人差があることなので、こちらだけで感情的に必要だと推すのは危険だと考えます。

金融商品、医療というのは情報の非対称性の大きいサービスです。公正な立場で情報提供を行いたいものです。

本当の理由を探る

生命保険をセールスするうえで、私たちはどうしても「保険は必要です」という立場に立ってしまいがちです。しかし、「生命保険は何が何でも必要なんです!」と強く押さなくても、お客様に判断を委ねればいいのです。お客様に判断を委ねるためには、先ほどお伝えした公正な情報提供を心がけることが大切です。

お客様がYouTubeで「保険は不要だと言っていた」とおっしゃるのであれば、「保険に加入していて助かった」という方の話をご紹介してみましょう。

両方の意見を聞いて、それでもなお「保険は不要」とおっしゃるのであれば、そのお客様にとって保険は(今は)本当に不要なのだと思います。

お客様にはそれぞれ価値観があります。生命保険が必要だと思う人も、不要だと思う人もいらっしゃいます。不要だと思う人に出会ったら、なぜ不要だと思うのかをヒアリングしてみましょう。そのときにYouTubeで聞いたからというのであれば、完全にバイアスがかかっています。両方の意見を見て決めていただかないといけません。ひょっとしたら、単に保険料を支払う価値を感じていないだけなのかもしれません。ひょっとしたら、過去に別の事で嫌な思いをしたことがあるのかもしれません。YouTubeの言葉を借りて、距離を置いているだけに過ぎないのです。否定的な理由を探してくる「本当の理由」を見つけ出さなければなりません。

ヒアリングの結果「生存者バイアス」がかかっているな、と判断したら、もう一方の具体例も伝えてみましょう。 最終的な判断は、お客様がするものです。公正な判断ができるよう、公正な情報提供を行うのがセールスの役割ではないでしょうか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です