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14.悟らせない工夫

私の質問に、お客様がちゃんと答えてくれません。

お客様と関係性が構築できていない段階では、お客様のことを知るためにいろいろと質問を投げかけると思います。しかしそんな時、答えをはぐらかされてしまったり、答えてもらえなかったりした経験はありませんか?

それは、質問の仕方が直接的すぎるのかもしれません。

 意図は悟られている

直接的過ぎる質問というのは、次のようなやり取りを指します。

セールス

〇〇様は、お子様は何人いらっしゃるのですか?

お客様

うちは2人だよ。

セールス

お子様同士の仲は良いのですか?

お客様

仲が良いというほどではないけど、悪くはないかな。

セールス

仲のよいご兄弟でも相続となると状況が一変すると言われます。争族の心配はありませんか?

お客様

まぁそうなんだけどさ…

この様な流れというのは、明らかに相続時に子ども達が揉めるということを示唆する、導くような問いかけになっています。ですのでお客様は、この質問に答えていくと相続提案をされるなと思って、答えをためらうようになっていきます。

お客様に質問をして、それに答えてもらうことによって、お客様のニーズがどこにあるのかを確認する、これがセールスの仕事なのですが、お客様はこちらが質問したことに対して、この質問に答えていくと私はどうなるんだろうと、考えながら答えます。

ですから、このまま質問に答えていったら、きっと何かセールスされるに違いないと推測できるような、あまりに直接的な質問というのは、お客様は答えるのをためらってしまうのです。すなわち、「その質問の意図は悟られていますよ」ということです。

質問の仕方を工夫する

そこで、今回は悟られない質問の仕方「サトルクエスチョン」についてです。

サトルクエスチョン

仮説を立てて投げかけることで、質問していることを相手に悟らないようにするテクニック

相手の警戒がなくなり、本心を引き出しやすくなる

「サトルクエスチョン」とは、お客様に会話のゴールを悟られないようにする質問の仕方のことです。先ほどの質問の例の様な直接的な質問ではなく、お客様に悟られないように、日常会話や雑談の中から答えをもらい、そしてゴール(聞きたい事)へ導いていきます。 難しいように感じるかもしれませんが、勝手に仮説を立てて、お客様に「どうですか?」と投げかける、これだけです。

仮説を立てて投げるとは?

それではこの「サトルクエスチョン」をセールスに応用してみましょう。

そこで、先ほどの相続の質問例をこのサトルクエスチョンに置き換えて質問してみます。

セールス

お正月は夫婦水入らずで過ごされるのですか?

(「ご夫婦で過ごされる」という仮説にもとづいたサトルクエスチョン)

お客様

いや、子どもが帰省してくるんだよ。

セールス

それは賑やかでいいですね!お子様のうちのおひとりが帰省されるのですか?

(お子様は「複数人いる」という仮説にもとづいたサトルクエスチョン)

お客様

ああ、うちには息子が二人いてね。二人とも帰省するんだよ。

セールス

一緒に帰省されるなんて仲がいいですね。他の方が気にされている相続も心配なくていいですね。

(「仲がいい」という仮説にもとづいたサトルクエスチョン)

お客様

うん、まぁ、そうかもねぇ。他の心配はあるけど。

セールス

他の心配というとどんな心配ですか?

上記の例では、3度「サトルクエスチョン」を活用しています。

「サトルクエスチョン」では、直接的な質問をするのではなく、お客様に仮説を投げかけます。

仮説を投げかけることで、お客様はYESかNOで回答をしてくれます。さらに、NOの場合は「そうじゃなくて〇〇なんだよ」と訂正もしてもらえます。この、「訂正をしてもらう」というのが「サトルクエスチョン」のポイントです。そして、訂正された内容がセールスの聞きたい内容になっていれば、その先の提案がスムーズに進んでいきます。

普段の雑談の中で、仮説を立ててそれをお客様に投げかける、とても簡単ですよね。

お客様に直接的な質問をなげかけてYESですか?NOですか?と聞いてしまうと、答えをはぐらかされてしまいますし、そういった質問をずっと続けているとお客様は尋問を受けている様に感じてしまいます。そこで、こちらが勝手に仮説を立ててそれをお客様に投げかければ、自然と知りたい答えをお客様が答えてくださいます。そうすることで、こちらの意図を悟られずにお客様のニーズをつかむことができる様になります。

その「仮説」は合っていても間違っていても問題ありません。是非、実践してみてください。

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