hoken-skill

21.保険営業に口コミを利用する

私たちがお勧めする商品やサービスについて、信頼を高めることができません。

セールスをする私たちが、「この商品はとても人気なんです」「この商品はとてもいい商品です」といくら言っても、お客様はそんな言葉を簡単には信じてくれません。ではどうしたらいいのでしょうか。

信頼度を上げる方法

そのようなときに、第三者の言葉を使ってお客様からの信頼度を上げる方法があります。それが「ウィンザー効果」です。

ウィンザー効果

アーリーン・ロマネス著『伯爵夫人はスパイ』の一節

登場人物のウィンザー伯爵夫人が放った一言「第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があるのよ」から由来する効果

The Spy Wore Red (Dutch Edition)

「ウィンザー効果」とは、当人からではなく、利害関係の無い第三者が発信した情報は信憑性が増し、受け入れやすくなるという心理効果です。

語源が面白く、アーリーン・ロマネス著『伯爵夫人はスパイ』という小説の中で、ウィンザー伯爵夫人が「第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があるのよ」と言ったことに由来しています。

この「ウィンザー効果」ですが、口コミの形となって、私たちの身近でたくさん利用されています。

例えば、新しい飲食店に行く際、Googleや食べログなどの口コミサイトを見て、良さそうな口コミがあるかを確認しますよね。ネットで何か物を購入する際も、その物が良いのか悪いのか、口コミを確認すると思います。この口コミ、飲食店の店主やお店が書いているのではなく、そのお店とは利害関係のない第三者が書いているからこそ、信頼できるものになります。

他にも、私が〇〇さん本人に向かって、「〇〇さんって頭いいですよね!」と言うと、〇〇さんはただのお世辞だと感じてしまうかもしれませんが、

先日△△さんが、〇〇さんのこと賢いって言ってましたよ!

と言うと、説得力が増します。第三者が自分のいない場所で言っていたことは、お世辞ではないと感じるからです。

口コミを集める

保険営業を行う際も、この口コミの力を利用しない手はありません。そのために、まず口コミを集めておく必要があります。

お客様にご契約をいただいたら、この保険のどこが良かったのか、なぜ契約していただけたのかを、必ずヒアリングしましょう。アンケートフォーマットを使って伺ってもいいと思います。口コミを集めることが目的ですが、「良かった理由」を明確に声に出して話してもらうことで、契約者自身が自分の言葉で自己説得を行う機会を作ることができます。これは契約を長く継続いただくうえでも効果的な施策です。

このように毎回ヒアリングすることで、たくさんの口コミを集めることができます。そしてそれを、次のお客様のプレゼン時にお伝えします。

この様な感じです。

セールス

先日ご契約いただいたお客様には、要介護1から給付金が出るというところを気に入っていただきました。

こうお伝えすると、この保険の信用、信頼が高まること間違いなしです。

一方で、私たちセールスがこの「ウィンザー効果」を使用するにあたっては、注意しなくてはいけないこともあります。それは、「良い意見」だけでなく「悪い意見」もお伝えする、ということです。「良い意見」だけをお伝えしていると、「この人、良い意見しか伝えてくれなくて、悪い意見はきっと隠しているに違いないわ」と、疑われてしまいます。

そこで、「良い意見」と「悪い意見」を両面提示します。

この様な感じです。

セールス

先日ご成約いただいたお客様には、〇〇という点を気に入っていただきました。一方で、××という点が気に入らないというお客様もいらっしゃり、その方は成約にはなりませんでした。

この様に「良い意見」と「悪い意見」を同時にお伝えすることで、私たちの言葉もお客様から信用していただける様になります。

ただし、この両面提示、正直に「良い意見」と「悪い意見」をお伝えするのではなく、コツがあります。

「良い意見」については、信頼の高い人の言葉を取り上げてお伝えします。反対に、「悪い意見」については比較的素人の方の意見を取り上げてお伝えします。

例えば、

セールス

先日、お母さまの介護をされているお客様からは、要介護1から給付金が支給されることを気に入っていただき成約になりました。一方で、30代のお客様からは介護に関する給付は不要なのでもう少し保険料が安いものがいいと、成約になりませんでした。

といった感じです。

この場合、「介護」というものを身近に感じていらっしゃるお客様が「介護給付」を気に入ってくださっていて、「介護」を身近に感じていらっしゃらないお客様が「介護給付」が気に入らなかった、ということで、「良い意見」の方が際立つようになります。

ちょっとやり方はずるいかもしれませんし、嘘をついてはいけませんが、伝え方を工夫する1つのコツです。

今回のコツをまとめると、

  • お客様に商品をプレゼンテーションする際に、第三者であるお客様の言葉をお借りしてお伝えする。
  • 「良い意見」だけお伝えしては信頼されないので、「良い意見」「悪い意見」を8:2位の比率でお伝えする

第三者の意見を両面提示して、商品価値を高めていきましょう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です