「良い商品ですね、と言っていただけるのですが、最終的に契約に至らないんです。」
プレゼンテーションの場面では、その生命保険が持つ素晴らしい機能を理解してもらおうと、お客様に一生懸命魅力をお伝えします。
- お亡くなりになった時
- 高度障害になった時
- 余命宣告を受けた時
- 入院が必要になった時
- 老後を迎えた時
など、お客様に起こり得るあらゆるケースを挙げて、生命保険が役立つ場面を説明していきます。しかし、実はその説明が上手ければ上手いほど、お客様はこう思っています。
「話がうますぎる」
セールスパーソンの説明が上手ければ上手いほど、商品が魅力的に見えすぎて「何か裏があるのではないか?」とお客様が思ってしまうのです。それは、「罰への欲求」という心理が働いているからです。
もくじ
無意識のバランス
罰への欲求
アメリカの深層心理学者E・ディヒター氏が提唱
良いことが続けて起きると、今度は逆に悪いことが起こるのではないかと不安になる現象のこと
「罰への欲求」とは、人は良いことが続くと、次は悪いことが起こるかもしれないと考えてしまうことです。無意識のうちにバランスを保ちたいという心理が働き、心のどこかで悪いことが起こるのではないかと考えてしまうのです。これは、人間の自然な心理現象です。
この「罰への欲求」が作用するために、セールスが商品の良いところをうまく引き立てて伝えれば伝えるほど、『悪いことを隠しているのではないか?』とお客様が感じてしまうのです。
受け止められる罰を与える
では、セールスで商品の良い部分を伝えるときにはどこに注意しなければならないのでしょうか?
気をつけなければならないシーンは、お客様が商品をすごく気に入っているときです。この場合、すんなりと成約に至るのですが後で罰への欲求が高まり「こんなにいい商品があるわけない」という不安につながっていきます。
「罰への欲求」を満たすためには、提案している保険商品の魅力をお伝えした後、デメリットについても説明し、「これだけのメリットがあるのだから、デメリットも当然受け入れるべきだ」と、お客様を説得しましょう。
死亡保障を提案する場合には、
お客様に万一のことがあった場合、遺されたご家族が安心して生活していけるようなお金が支払われます。このような安心を得るために、毎月2万円の保険料を負担していただくことになります。お客様のお小遣いが少し減ってしまうかもしれませんね。
年金保険を提案する場合には、
こちらの個人年金保険であれば、65歳から毎月決まった金額が入ってきます。月に1回くらいお友達と旅行する余裕ができるかもしれません。ですが、この保険に入るためには毎月3万円の保険料をお支払いいただきます。外食を数回減らしていただかなくてはいけないかもしれませんね。
プレゼンテーションの場面においては、多くのメリットをお伝えしていると思います。その中で、お客様が受け止められるデメリットも強調してお伝えしてみましょう。
生命保険の魅力を上手に伝えられるようになったら、お客様の「罰への欲求」を満たし、将来の経済的な保障と安心を手に入れるために、当然受け入れるべき痛みを理解してもらうようにしましょう。