「プレゼンテーションで、どの順番で話すとお客様の心に響くのかが分かりません。」
今回は、「プレゼンテーションの展開方法」についてです。
プレゼンテーションの場面で生命保険の必要性を語る時、どのような流れで話しをしていますか?その場の雰囲気で話しをしてしまったり、思いつくままに話しをしてしまったりしていませんか?話す順番について検討を重ねたうえで話をしていますか?
プレゼンテーションでは、どういった構成で話しをするのか、その構成がとても重要なのです。
それでは、どの様な構成で話しをしたらいいのか?2つの方法を見ていきます。
もくじ
クライマックスの位置
2つの方法とは、「アンチクライマックス法」と「クライマックス法」です。
アンチクライマックス法
最初に結論を言い、その後に説明をする話法
「アンチクライマックス法」というのは、一番最初に「結論」を持ってくる構成方法です。言いづらいことを一番最初に話します。そしてその後に理由付けをしていきます。刑事コロンボや、古畑任三郎のストーリー展開がこのタイプですね。
クライマックス法
要点を最後にもってくる話法
「クライマックス法」というのは、理由付けから入ります。そして結論を最後に持っていきます。一般的なサスペンス映画やドラマは、だんだんと犯人が絞られていって、最後に犯人が分かる、という構成になっているので、こちらのタイプです。クライマックスに向けて、だんだんと盛り上げていく方法です。
セールスへの応用
ここまでクライマックス(言いづらいこと)をどこに持ってくるかで、2種類の構成があることをお伝えしました。では、生命保険のセールスの場面で、この2つを活用するとどのようになるかを見てみましょう。
ともに医療保険の提案をする場面で考えてみます。
アンチクライマックス法
今日は医療保険をご提案します。
なぜかと言うと、日本の健康保険制度は素晴らしいのですが、だんだんと制度の維持が難しくなってきているのです。
健康保険制度の何が素晴らしいかというと、高額療養費という制度です。
この素晴らしい制度でも賄えない部分を補うのが、民間の医療保険です。
このように一番最初に結論をお話します。
クライマックス法
お客様は健康保険制度について詳しいですか?
日本では、ほとんどの治療費は健康保険制度で賄えるので安心です。
しかし、健康保険制度では賄いきれない部分があるのをご存じですか?
今日ご提案する医療保険であれば、健康保険制度では賄えない部分もフォローすることができます。
このように一番最後に結論をお話します。
どっちがいいのか?
では、どちらの構成でプレゼンするのが正解なのでしょうか?
例をみていただいて分かる通り、どちらも違和感はないですよね。実はどちらも正解なのです。場面場面や、お客様によってうまく使い分けることが正解といえます。ただ、日本人はもともと結論を最後に言う文法形式に慣れており、意識しなければクライマックス法になると言われています。
今日の天気は気分がいいです。
今日の天気は気分が悪いです。
このように、日本語の文法形式では、最後の単語『いい』『悪い』で文章全体の意味をコントロールすることができてしまうのです。
一方、アンチクライマックスは「結論を先に言おう!」という意識を持って話を構成しなければなりません。メリットを理解して意識してプレゼンに盛り込めるようにしていきましょう。
アンチクライマックスのメリット
「アンチクライマックス法」のメリットは次の3つです。
- 最初に結論を伝えるので、セールス側の気持ちが楽になる。
- お客様の時間を無駄にしない。
- 最初に結論を伝えてから理由付けしていくので、論旨が理解されやすい。
では、どんな場面で使うと良いかというと、
- 質問に回答する時
- 答えを急ぐお客様の時
- オンライン商談の時
- 電話で話す時
です。電話でセールスの電話が入ってきて、最初に要件を言われないとイライラさせてしまいますよね。場面場面で使い方を考えるというのは、相手の状況を考えて使わないといけないということです。
2つの手法
「アンチクライマックス法」には「SDS法」と「PREP法」の2つの方法があります。
どちらもアンチクライマックス法なので、最初に結論を話して、そして理由付けをしていくことに変わりはありませんが、次のような違いがあります。
SDS法 | PREP法 |
Summary=概要 Details=詳細 Summary=まとめ ※ 「概要」と「まとめ」の間に「詳細」を話します。 | Point=主張 Reason=理由 Example=具体例 Point=主張 ※ 「主張」と「主張」の間に「理由」と「具体例」を話します。 |
では、この「SDS」と「PREP」はどの様に使い分けるといいのでしょうか?
形のあるもの、非常に単純なものについては、SDS法の方が分かりやすいですし、また、短時間で伝えることができます。一方で、形のないもの、生命保険とか金融商品は、例話で話しをした方が分かりやすいため、PREP法の方が伝わりやすいと言われています。
「アンチクライマックス法」と「クライマックス法」、さらに「SDS法」と「PREP法」は、その場面場面に応じて使い分けることで、絶大な効果を発揮します。
アイドリングで確認
初めのうちは、このお客様はどちらの方法で話したらいいのだろう?と悩むこともあると思います。
初めてお会いした段階では、そのお客様にどちらが適しているのか、それは超能力者でない限り分かりません。しかし、諦める必要はありません。商品のプレゼンテーションをする前までにわかればいいのです。
プレゼンテーションをする段階までに、いろいろと話しをする中で、どちらの方法が向いているのかを探っていきましょう。話しながら、ちょっとお客様との雰囲気が悪くなったな、と思ったら切り替えて逆の方法を試してみるのも良いでしょう。 どちらの方法が良いのかを探る、これがアイドリングです。いろいろと試しながらうまく使い分けてみましょう。