「プレゼンテーションの場面で、数値を魅力的に見せることが苦手です。」
コロナ第7波のときには、1日に約20万人の人が感染していると報道されていました。1日に20万人というと、すぐに日本国民全員が感染してしまう脅威を感じませんでしたか?
しかし、実際に計算してみると、1億2,000万人が感染するには、約600日かかります。およそ2年かかるということです。
この様に大きな数字は、一般人にとって身近に接する数字ではないので、直感で正しく把握できません。
そこで今回は、「数値」をお客様に直感で魅力的に伝えるにはどうしたらいいか?ということを考えてみます。
もくじ
錯覚が起きる!
「数値」を魅力的に見せるには、「シャルパンティエ効果」を活用します。
シャルパンティエ効果
オーグスチン・シャルパンティエ氏が発表
身近なイメージを使って例えると心理的錯覚を起こす効果のこと
「シャルパンティエ効果」というのは、フランスのオーグスチン・シャルパンティエ氏が発表した効果です。
シャルパンティエ氏が行った実験は以下のようなものでした。
同じ重さの4センチの鉄の球と10センチの鉄の球を用意します。
被験者に、この鉄の球をそれぞれ持ち上げてもらい、どちらが重いかを答えてもらいました。その結果、同じ重さにも関わらず、「4センチの鉄の球の方が重い」という答えが返ってきました。
人間の脳は、大きな鉄の球は重く、小さな鉄の球は軽い、と予測しますが、小さな鉄の球は大きな鉄の球と同じぐらいの力で持ち上げる必要があったため、小さな鉄の球の方が重いと判断したのです。これは、視覚からのイメージで、重さを判断してしまうという錯覚現象です。
この結果を応用して、「シャルパンティエ効果」は現在様々な場面で活用されています。
普段目にするアレも
名前は聞いたことがなくても普段から体験しているのではないでしょうか。
レモン何個分?
例えば「ビタミンC1000mg配合」、この様な広告よく目にしませんか?こういった広告を見ると、なんだか体に良さそうな気がしますよね。一方で、1000mgってどれぐらい?と思うわけです。そこでこれを、「レモン50個分のビタミンCを配合!」と言い換えると、ぐっとイメージが湧きますよね?
一方で、1000mgというのは1gのことですが、「ビタミンC1g配合」と言われると、なんだかたいしてビタミンが取れないな、と思ってしまうのに、1000mgと言われるとすごく体に良い気がしますよね。
東京ドーム何個分?
他にも、土地の広さを伝える際に「〇〇坪の敷地面積です」と言われるよりも、「東京ドーム〇〇個分の広さです」と言ったりもします。
この様に、同じ内容でも映像化することによって人に与えるイメージが変わる、というのが「シャルパンティエ効果」の力です。
提案時の魅せ方
お客様へ数値をお伝えする際に工夫をしてみましょう。
例えば、「10万円の給付金があります」とお伝えする場合、紙に「10万円」と書くのではなく、「100,000円」と書くことで、より数字の大きさを感じていただけます。これは視覚から入る情報についての方法です。
一方で、聴覚から入る情報については次のように映像化させると効果的です。例えば、税金についてお話しをする際、
【伝わらない例】
収入の20%が税金なのです。
【数値が映像化する例】
1カ月20日働くとしたら、4日分は税金を支払うために働いているということです。
このように、プレゼンテーションにおいてお客様へ数字を伝える際に、伝え方を工夫してみてください。
ポイントは2つです。
もちろんですが、誤認はよくありません。しかし、お客様によりメリットを感じていただくために、ちょっとした工夫をしてみると良いと思います。