「特約を説明する際、どうも魅力的に伝わりません。」
同じ商品を説明していても、魅力的に伝えられる人と、うまく魅力が伝えられない人がいます。その違いはなんなのでしょうか。そこで今回は、数字を魅力的にお伝えする方法についてです。
もくじ
フレームを変える
突然ですが、あなたはピザを2枚注文しようと思っています。
- Aというピザ屋のチラシには「今ならピザ1枚50%OFF!」と書かれています。
- Bというピザ屋のチラシには「今ならピザ1枚購入でもう1枚無料!」と書かれています。
どちらのピザ屋で注文をしようと思いますか?
ピザを2枚購入する場合、どちらも支払う金額は同じです。しかし、Bの「今ならピザ1枚購入でもう1枚無料!」という方が魅力的に感じませんか?
多くの人は、「50%OFF」や「半額」という言葉よりも「無料」という言葉に惹かれるのだそうです。
そこで今回は、商品を魅力的に伝える方法「フレーミング効果」についてです。
フレーミング効果
1981年、プリンストン大学名誉教授ダニエル・カーネマン氏と、心理学者のエイモス・トヴェルスキー氏が雑誌サイエンスに発表
同じ内容でも伝え方が変われば、受け取り方も変わるという心理効果
「フレーミング効果」とは、絵画のフレームで切り取る様に、どこを強調するかで相手に与える印象を変え、意思決定に影響を及ぼすことを言います。
そこで次の例を見てみましょう。
タウリン1000mg配合
1000mgというのは1gと同じことです。しかし「タウリン1g配合」よりも「タウリン1000mg配合」と書いてあった方が、タウリンがたくさん配合されている印象を与えますよね。
2個買うともう1個無料
仮に1個100円のものがあるとして、3個買うと本来300円ですが、「2個買うともう1個無料」ということは200円で3個手に入るということです。要するに、33%引きということですが、「33%引き」と言われるよりも「1個無料」と言われた方が、お得な印象を与えますよね。
保証期間365日
365日というのは1年のことですが、「保証期間1年」というよりも「保証期間365日」と言った方が、保証期間が長い印象を与えますよね。
30日間金利ゼロ
先ほどの例と同じで、30日というのは1カ月のことですが、「1カ月間金利ゼロ」と言うよりも「30日間金利ゼロ」と言った方が、金利ゼロの期間が長い印象を与えますよね。
90%の人が志望校に合格
90%の人が合格したということは、10%の人が不合格だったわけですが、「10%の人が志望校に不合格」というよりも、「90%の人が志望校に合格」とした方が印象が格段に良くなりますよね。
このように私たちが普段耳にしている、目にしている数字と言うのは、「フレーミング効果」でコントロールされているわけです。そこで、商品説明でもこれをうまく使っていくことで、お客様に商品を魅力的に伝えていくことができます。
数字に魔法をかける
保険営業を行う際も、ちょっとした数字の魅せ方の工夫で、大きさをコントロールすることができます。
まず、お客様にお支払いいただくものについては、数字をなるべく小さくみせます。
毎月の保険料が10,000円の保険を提案するのであれば、「毎月10,000円保険料をお支払いいただきます」というのではなく、「1日約300円の保険料です。喫茶店でコーヒーを飲むより安い金額で、こちらの保険に加入していただけます」といった方が、支払う保険料のイメージが安くなります。
そして、お客様がお受取りになるものについては、数字をなるべく大きくします。
万一の時の保険金が1,000万円なのであれば、「1,000万円」ではなく、「10,000,000円」と書いてお見せします。
更に、「無料」という言葉を使うことも効果的です。保険の特約には「無料」で付けられるものが多くあります。例えば「リビングニーズ特約」や「指定代理請求特約」など、特約の機能をお伝えするときに使ってみましょう。
この様な機能はすべて「無料」でお付けすることができます。
この様に、お客様にお伝えする「フレーム」を変えて、メリットはよりメリットとして伝わる様に、デメリットはデメリット感が小さくなる様に、同じことを伝えるにしても魅力的に伝わる様にすることがとても大切です。
お客様に間違った情報をお伝えすることは言語道断ですが、同じことをお伝えするのにも、どの「フレーム」からお話しをするのかで、伝わり方がポジティブにもネガティブにもなります。魅力的に伝わる「フレーム」を探して、魅力的なプレゼンテーションができる様に工夫してみてください。