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一般課程の概要

一般課程の概要について記載しています。

一般課程試験の概要4

 転職や転籍したら?

 転職・転籍・出向

一般課程試験は生命保険の募集活動を行う人だけでなく、販売を支援する人も取得しなければならない試験です。営業の最前線に係る営業職は次の2つに大別されます。

 ❶ 直接営業(お客様に保険を販売する役割)

  • 生命保険会社に所属して、生命保険を直接販売する
  • 銀行や信託会社の窓口で保険提案をする行員や社員になる
  • 金融機関の別働代理店で保険を販売する
  • 乗合代理店で募集人として保険を販売する

 ❷ 間接営業(保険募集人をサポートする役割)

  • 銀行窓販専業の保険会社でホールセラーとして、銀行員や社員をサポートする
  • 保険会社の代理店チャネルでソリシタとして、保険募集人をサポートする

ひとつの生命保険会社で同じ役割を全うする方もいますが、自分のキャリアアップのために上記の役割を変えて仕事をする人もいます。そのとき、別の保険会社へ転職したり、保険会社から銀行へ転職するというケースが発生します。

また、同じ保険会社のグループ内であれば、転籍や出向という形で役割が変わる人もいます。

 業界共通試験の資格はなくなるの?

生命保険会社とは全く異なる企業へ転職する場合、保険会社で取得した「業界共通教育課程」の資格は全て無くなります。退職をするときに「廃業申請」をすることにより、全て無くなってしまうのです。

一方で、引き続き保険販売を行う同業界への転職や転籍の場合は、在籍元と在籍先との関係性によって資格維持の状況が大きく変わります

生命保険会社から別の生命保険会社への転職の場合

この場合、資格の移管はかなり難しいです。
転職時に人事部門へ「ライバルの保険会社である○○生命へ転職するんです!」と言ったときに、受験費用を負担した元の会社が喜んで資格の移管をしてくれるでしょうか?それは、まず難しいことですし、転職時にライバル会社へ行くことを告げないケースも多いのではないでしょうか。

銀行や証券会社から生命保険会社への転職の場合

転職時に人事部門へ相談し、理解をいただけるようであれば、その銀行や証券会社から代申会社を経由して移管をすることができます。例えば、地方銀行の銀行窓口で保険提案を行っていた銀行員が、結婚を機に都内に住むことになったとします。地方銀行は都内にも法人融資専用の店舗はありますが、ずっとその店舗で仕事ができるわけではありません。そこで、地方銀行を辞めて生命保険会社に転職をするケースはあります。このような場合などは、元の会社である地方銀行側も一定の理解をしてくれますし、移管することが可能なのではないでしょうか。

同じ保険会社のグループ内転籍の場合

まず問題なく、移管することができます。おそらく、そのような心配をせずとも、転籍先の人事部門が転籍元の人事部門とやり取りをして完結をさせてくれます。

出向の場合

出向というのは、籍はもともとの会社に置きながら、保険販売の実務は別の会社で行うケースです。例えば、生命保険会社から銀行や証券会社へ出向するケースなどがこれにあたります。この場合は、当然在籍場所は変わっていませんので資格には何も影響をしません。

転職を何度もすると、そのたびに一般課程試験を受けなければならないという現実があります。非効率なことですが、今の保険業界の仕組みとして仕方がないものなのかもしれませんね。転職する際は、転職する先の人事部門の方にいろいろと相談をすると良いと思います。

* 代申会社とは
銀行や乗合代理店が保険募集人登録の申請や届出を行う場合は、通常、代理店の所属する保険会社を代理人として手続きが行われます。この代理店が所属する所属保険会社を代理申請会社といい、通称「代申会社」と呼びます。所属保険会社が複数の乗合代理店の場合は、所属保険会社のうちの1社が代理申請会社にとなります。この代表の会社は、募集人の登録や移管の実務を行う役割があります。

 生保大は復活する

転職先へは、一般課程の資格を移管できないケースが多いということをお話しました。では、一般課程試験の後に受ける、専門課程や応用課程はどうなるのでしょうか?

実は一般課程に再度合格すると専門課程や応用課程は復活します。更に生命保険大学(通称「生保大」)もすべて復活します。逆に復活しないのは、変額保険販売資格試験や外貨建保険販売資格試験です。これらは、特定金融商品であることから再度受験が必要になっているようです。

 本社勤務になったら?

生命保険会社の本社組織、例えば数理、企画、総務などへ配属が移るケースはどうでしょうか?

古い言い方をするのであれば、内勤とも呼ばれる仕事です。これらの職種は、同じように生命保険を扱う仕事ではありますが、保険営業とは異なった役割をすることになります。

例えば、以下のような部門です。

数理部門

保険会社は定期的に保険商品の開発を行っています。

新しい保険商品は社会的ニーズやお客様の要望を加味しながら設計しますが、生命保険会社が永続できるような保険商品を開発しなければ意味がありません。そこで保険給付する際の生存率や死亡率、保険事故の発生率などを分析し、保険料へ反映させます。この際、高度な数学・統計学の知識を用いて数理計算することになります。その計算を担うのが数理部門です。したがって、保険商品の概要を決める商品部門と密接な関係があります。

また、保険会社の決算時には、数理の力がないと報告資料が完結しません。生命保険会社の中でも花形職のひとつです。

企画部門

生命保険会社には2つの企画部門があります。総合企画部門と営業企画部門です。

総合企画は、金融庁から指示に沿ったガバナンス体制を整えます。また保険会社の数年先のビジョンなどをまとめる業務です。生命保険会社の対外的な顔になる部門でもあり、広報部門とも密接に絡みます。金融庁のレポートやパブコメを見て、自分の保険会社が数年後に直面する課題などを見つけ出します。

一方で営業企画は、保険会社の業績目標を計画し、どのように達成するかを企画する部門です。業績が好調な理由や不調な理由を分析して、改善企画を提案することが求められます。業績に密接に関連する要素は、社会的な環境も要因になりますし、保険営業マンのモチベーションも影響します。また法律とも関連してくるため、幅広い知識が求められる部署です。

総務部門

保険会社だけでなく、どのような会社、どのような大きさの会社にも必要不可欠な部門です。

小さい会社だと、言葉のとおり他の部署では吸収しきれない仕事を引き受けている場合もあります。生命保険会社の場合は、組織が大きいため、総務部門の役割は比較的明確になっています。各部署の内線や外線の管理や外部業者の管理、保険会社が所有する備品等の管理、プリンター等のトナー代など全社的に管理したほうが良いことを担っています。

近年はデジタル資産が増えてきました。電話回線で内線を構築するのではなく、LANを経由したIP電話で構築するケースも出てきています。また、会議室がなくなりウェブミーティングなどに移行しており、デジタル化が進んでいます。その意味では、システム部門とも密接に関連する部門になってきています。

この場合でも、正社員であれば一般課程試験の資格は必要です。この点からも保険業界で仕事をする上での常識的な資格であると言えます。加えて、内勤は募集人資格とは異なる試験を受けることになります。それが生命保険講座で、通称「生保講座」と呼ばれています。

こちらの試験は、試験内容がより学術的になり難しくなります。保険営業マンが人と接する技術を学ぶ代わりに、業務に関してはより深い知識が求められるということです。

一般課程試験の概要3

 合格のしかた

 効率的な学習方法

生命保険協会の「業界共通教育課程」においては、まず全体像を抑えてからテキストを読み込むと効率的です。

そのために以下3点を抑えましょう。

  • どのような項目があるのか?
  • どのような形式で問われるのか?
  • 設問を読むのにどのくらい時間がかかるのか?

 試験の項目

項目は9つに分かれています。各項目で学ぶことは以下のとおりです。

1.生命保険の現状
生命保険の社会的な役割、保険募集人の役割と心構えについて学びます。
2.生命保険の基礎知識
生命保険のしくみや種類、生命保険会社の資産運用の基礎について学びます。
3.生命保険契約時の実務
お申し込みを預かるときの取り扱いや実務、そして一次選択等について学びます。
4.生命保険募集等におけるコンプライアンス
保険募集する際に守らなければならない法律とコンプライアンスについて学びます。
5.生命保険契約後の実務
保障内容の照会あった時の応対方法、保障の見直し、保全について学びます。
6.生命保険の周辺知識
公的保険制度を理解したうえで、補完的な位置づけとしての民間保険の役割を学びます。
7.生命保険と税・相続
保険料や保険金の税務上の取り扱い、相続に関する基礎的な知識を学びます。
8.お客様ニーズへの対応
お客様のライフステージに対してどのような提案をすべきなのかを学びます。
9.計算問題
遺族生活資金の計算方法等について学びます。

 出題の形式

設問の形式は大きく分けて5つあります。

穴埋め選択問題
(配点25点)
文章中にある空欄に入る言葉を語群から選択する設問です。
計算問題
(配点10点)
前提条件から必要な保障額を計算する設問です。回答は語群から選びます。
選択問題
(配点20点)
「4つの文章から誤っている文章を2つ選択する」
「3つの文章から誤っている文章を1つ選択する」の2形式があります。
正誤問題
(配点30点)
問題文が正しいか誤っているのかを選ぶ正誤2択式の設問です。
二者択一問題
(配点15点)
文章中にある空欄に入る言葉を2つの選択肢から選ぶ設問です。

 設問を読み解く時間

設問数は82問です。40分で回答を終えるには1問30秒で解いていけば良い計算です。先述したとおり、過去問と同形式、もしくは全く同じ問題が出ますので、瞬間的に答えを見つけて2回程度見直す流れで行けば満点合格ができます。

効率的な勉強をするため、テキストを読み込む前に、まずはこのサイトで繰り返し問題を解いてみてください。

一般課程試験の概要2

 試験の形式や難易度

 試験方式

試験はCBTで行われます。CBTとは(Computer Based Testing)の略で、試験会場でパソコンを使った試験です。プロメトリック社が委任を受けて実施しています。全国約140都市で実施され、受験しやすい場所を選べます。専門学校等を会場として利用して、基本的に希望する日(土日祝日、年末年始休暇を除く)、時間帯に受験することができます。

パソコンでの受験はとても簡単です。画面に残り時間が表示され、計算問題では計算機も画面上で利用できます。また未回答の設問に関してはアラートも出ますので、安心して受験することができます。

 試験の難易度

試験時間は40分で合格ラインは70点です。受験者の約8割が合格します。運転免許の筆記試験と同レベルと考えるとよいかと思います。問われる内容も、過去問の頻出問題がほとんどで、まったく同じ問題も多くあります。

ただし、パソコンに慣れておらず初めてCBT試験を受験される方は戸惑われるかもしれません。「プロメトリック社のCBT体験版」を実施しておくとより安心です。

※ プロメトリック社のページへ飛びます

 簡単な試験ですが…

一般課程試験は簡単な試験です。選択式の試験であり、落ちる方はめったにいない試験です。合格するだけならば1日あれば大丈夫です。しかし、簡単であるがゆえに、保険会社の本社社員や外資系生命保険会社の募集人は満点合格することが求められます。

一般常識だけで満点が取れるわけではありません。生命保険用語は一般生活では耳慣れない言葉も多く、曖昧な理解では解けないものがあります。したがって、過去問を含めた勉強が1週間は必要です。また、募集人を目指す方はセールス技術も併せて学ばなければならず、時間的な余裕はありません。できるだけ効率的な勉強をして合格を目指しましょう。

 なぜ満点を目指すのか?

生命保険協会は合格点を70点と決めているのに、生命保険会社によっては「90点以上しか認めない」とか、「100点を取るのが常識」と言った空気があります。これについて「上司がプレッシャーをかけているだけでは?」と思うかもしれません。しかし、満点を取ったほうが良い理由が最低でも3つもあります。

 ❶ 結局は効率が良い

一般課程試験の次には専門課程試験があり、更にその次には応用課程試験が控えています。そして、その問題は一般課程試験の土台の上に作られています。したがって、一般課程試験を70点で合格したとすると、理解の及ばなかった30点分は次の専門課程の学習時に学び直しをすることになります。つまり結局、やらなければならないのです。「とりあえず、最小限の力でギリギリ試験に合格する」ことが本当に頭の良い人の行動なのか?をよく考えてみてください。

 ❷ 転籍時に影響する

生命保険会社は大きな組織なのでグループ会社の中で転籍をすることもあり得ます。例えば、直販営業から代理店サポート営業に異動を申し出るケースも出てきます。この場合、人事担当者には過去の業界共通試験の点数は全て把握されていると思った方がいいでしょう。その際、過去の試験データは全て見えてしまうのです。候補者が2名いて、全ての試験を70点ギリギリで合格している人と常に90点台で合格している人がいるとしたら、どちらを採用するでしょうか?記憶を測る試験には得意不得意があり、ここで人間性を評価されるものではありません。しかし、転職時に天秤をかけられたときは「落とす理由にされる」ことをよく理解しておいてください。

 ❸ お客様のためである

生命保険会社に入社した理由は様々でしょう。しかし、中にはお客様に「本当の安心を届けたい」と考えて入社した人もいるはず(そうであって欲しい)です。もし70点の合格で良いというならば、言い換えれば、「お客様に3割程度、誤った内容を伝えても良い」ということです。その姿勢で本当にお客様のことを想ったセールスを全うできるのでしょうか?これからの時代、求められるのは生命保険商品だけでなく、様々な金融商品の提案ができる人です。まずは生命保険だけでも、100%の知識で勝負できるようになりたいものです。

一般課程試験の概要1

 一般課程試験の概要

 一般課程試験とは

「一般課程試験」は、生命保険協会が主催する「業界共通教育課程」試験のひとつです。生命保険の基礎知識を修得することを目的とした試験で、保険契約の募集を行う生命保険会社や保険代理店の募集人は、必ず合格する必要があります。また、募集人だけでなく本社の総合職も受ける試験です。

募集人とは?

募集人は生命保険を販売する人の正式名称です。生命保険を販売するには、生命保険協会が行っている募集資格試験に合格し、内閣総理大臣の登録を受けます。この生命保険の募集人資格が「一般課程試験」であり、「生命保険販売資格」とも呼ばれています。

 申込方法

一般課程試験は毎月開催されています。受験回数に制限はありません。生命保険会社に所属している場合は、受験費用は所属会社が支払います。保険代理店の場合は代理店側が支払ってくれます。

この試験は最も基礎的な簡単な試験であるため、何度も受験する方はいません。基本的に一発で合格する試験です。

生命保険協会の業界共通試験は、生命保険会社や代理店所属の社員以外は受験することができません。一般課程試験も申し込みは所属会社を通じて行います。

したがいまして、生命保険会社に所属する方は、個人で手続きする必要はなく、営業人事担当の方が申込日を管理し手続きを代行してくれます。これは試験を「いつどこで受けるのか」を管理する目的でもあります。

一方で、生命保険代理店で募集人資格を取得する方は、生命保険会社から指示された「代理店ユーザー向けのログインページ」から代理店受験番号を入力して、各自で申し込みを完結させます。ログイン後の流れは以下のとおりです。

ユーザー登録
 (ユーザー登録後に受付番号のメールが到着する)
ポリシーへの同意
 (お知らせがポップアップ表示され確認を押下する)
試験会場の選択
 (会場情報検索で会場空き情報を確認し、都市コードを控える)
申込手続き・申込完了
 (必要事項を入力する)
受験費用の支払い
 (コンビニやクレカ、ペイジーで支払いする)
受験票ダウンロード&印刷
 (受験費用の支払い完了後、ダウンロード可能となる)
試験当日
 (受験票、写真付の身分証明書を持参して受験する)

 試験の位置づけ

一般課程試験は生命保険に関する最も基礎的な試験です。合格後は「専門課程試験」「応用課程試験」「生命保険大学課程試験」を受講していきます。「生命保険大学課程」まで修了すると、『トータル・ライフ・コンサルタント〔生命保険協会認定FP〕(略称TLC)』の称号が授与されます。

これらの試験と並行して「変額保険販売資格」「外貨建保険販売資格」の試験が実施されています。生命保険には投資信託を組み込んだ変額保険や、運用を外貨建てで行うものがあるため、そのリスクに関して正しく伝えられるよう学習していきます。